料理でストレス発散

この日記を見守って下さっている方から
『おいしそうなご飯の写真も楽しみにしています。』
と、メールをいただきました。

 
ハッ!そうだ。

最近、イヤなことに心が向いていて、
美味しいご飯に注意がいってませんでした。
美味しいものをつくることを、すっかり忘れていたようです。

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新わかめとキュウリの中華風酢の物
丹波の自家製味噌をつかった豚汁

うまっ

ニュートラルでいたい

春休み週間が終わってから、気持ちがひどく落ちてました。

なんにも ヤリタクナイ病
すべてが イヤイヤ病
 
抗がん剤治療がやっと終わり、身体も気持ちも元気が持続できると思っていたので、そんな自分にガックリきました。

恥ずかしいぐらいの愚痴のオンパレード気分だったのです。

矛先のない悔しさやイライラが湧いてきました。

あまりの無気力に、
「ただ自分はサボりたいだけなんじゃないか?」と思ったり、
「不安定な状態は脱したはずなのに、おかしい、情けない!」と思ったり
「うつ病?」と思ったりしました。
 
こういう気持ちってクチに出しにくくて、黙ったまま何もしない日が続くので、とても後ろめたい気持ちになります。

 
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先週カウンセリングがあり、ようやく気持ちが上がってきました。

P先生に気持ちを素直に話して、先生の質問に答えるかたちで一緒にストレスの原因を明らかにします。

ひどい落ち込みの原因は、
 手足のしびれや腋、血管痛の痛みが治まらないことへのイライラや、
 抗がん剤で月経が止まってホルモンのバランスが崩れていること、
 股関節が痛くなってスムーズに歩けないこと、
 今月末から始まる放射線治療への緊張、
 新年度のため避けられない仕事のストレス、
 春休みにはしゃぎすぎて身体が疲れていたこと、
などが重なったことにあったようです。

ストレスの原因を言葉で明らかにしていくと、解決できるものとそうでないものに分けられます。
解決できるものは対処して、すぐに解決できないものは「受け入れようね」と自分に言い聞かせます。

先生に、『こういう原因があるのだから、やる気がなくなるのはおかしいことではないですよ。』と言われて、肩のチカラがスッと抜け気持ちが楽になりました。

 
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気持ちが明るくなり谷から脱出できたけど、無理に気持ちを盛り上げようとはしないでおこう。

ヤル気満々モードではなく、無気力でもない、その間のニュートラルな感じがいい。

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4月初旬から始まる予定だった放射線治療は、予定より延びて4月30日から始まります。

DIPExがん患者の語りデータベース 体験インタビュー撮影

がん患者が自らの体験をインタビュー形式で話し、その映像をデータベース化して、Webサイトから自由に見られるようにし、医療従事者や同じ病気の人に役立ててもらおうとするプロジェクトが進行しています。

DIPExがん患者の語りデータベース
https://www.dipex-j.org/

正式には、”厚生労働科学研究「がん患者の語り」データベース作成プロジェクト”といい、英国オックスフォード大学で作られているDIPEx(Database of Individual Patient Experience)というデータベースがモデルとなっていて、乳がんまたは前立腺がんを体験した人に、異変に気付いたときのことから、治療法の選択、化学療法の副作用、困ったこと、生活への影響、役立った情報など様々なことをインタビューして、体験談映像をデータベース化しようというものです。

特徴は、DIPEx-Japanサイトによると以下のとおりです。

『出演している人々は匿名ではありますが、顔を隠したり映像をぼかしたりせずに、カメラに向って率直に自分の体験について語っているので、同じ病気を持つ人にとっては共感が持て信頼のおける情報源となっています。 (ただし、事情があって顔を出したくな いということで、音声もしくはテキストデータのみの協力者もいます。)

DIPExのウェブサイトにアクセスすることで、新たに病気の診断を受けた人は、ほかの患者たちがどのようなことに悩み、どうやって治療法を選択したかを知ることができますし、医師・看護師・薬剤師など医療の現場で働く人々は、普段はなかなか聞けない患者の本音に触れてそれをよりよい医療提供に活かすこともできます。 昨今注目されているナラティブ・ベイスド・メディシン(NBM=患者の語りに基づく医療)の基盤になりうるデータベースなのです。 』

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ひょんなことからこのプロジェクトのことを知り、乳癌の体験インタビューを受けることになりまして、先日、その撮影を自宅で行いました。

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インタビュー・撮影をする前に、このプロジェクトの目的やインタビューから映像掲載までの流れ、映像データベースの取扱いや個人情報に関してなどを、インタビュアーから時間をかけて説明を受けます。

「撮影し終わった後で、映像を掲載したくなくなった時には、いつでも掲載中止を申し出ることができる」とか、「映像データベース上では、氏名・地域・病院名などは匿名とする」ことなど、協力者の自由意思を尊重する旨の同意書に署名してからインタビューがはじまる仕組みになっているので、安心してインタビューを受けることができました。

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説明をうけている間に、ビデオカメラのセッティング、明るさのチェック、マイクの準備がされてます。

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最初は緊張していたのですが、佐久間さん、射場さんの優しい笑顔で、だいぶ緊張がほぐれてきました。

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映像をチェックする佐久間さん、射場さん

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こんな感じでインタビューを受け撮影しました。

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実際に掲載される映像はさほど多くないと思いますが、こんなふうなワタシの映像がDIPEx-Japanに来年2009年春ごろに掲載されるかもしれません。

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インタビューを終えて感じたこと

●予想していたより難しかった

今まで、仕事に関するインタビュー・取材は散々受けてきたので、
今回のインタビューもさほど難しくないと高を括っていたのですが、
とんでもありませんでした。

仕事に関することは、自分が自らの意思で行ってきたことであるのに対し、
病気に関することは、自らの意思に反して経験した辛い体験なので、
そのときの事実を語ることはまだしも、心情を言葉にして語るのは
予想以上に難しいことでした。

事前に少し回答を考えておけばよかったと思いました。

●自分の精神的ポジションが分かった

質問に回答するとき、すんなりと回答できる場合は、
その事象を客観的に捉えることができているということが分かります。

しかし、質問の内容によっては、うまく言葉にできなかったり
ドキドキしたりしたこともあり、その質問の事象については、
まだ自分の中で消化できていないのだなと感じました。

●役に立つ喜び・励み

インタビュアーの射場さん・佐久間さんが頑張っておられる様子を拝見し
力づけられると共に、自分が誰かの役に立つことをとても嬉しく思いました。
病気との関係が、ステップ1つ上がったように感じました。

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★ 乳がん・前立腺がん 体験インタビュー協力者を募集中 ★

DIPEx-Japanでは、乳がん・前立腺がん体験者各50人ぐらいをインタビューし映像撮影する予定だそうで、協力者を募集しています。

DIPExがん患者の語りデータベース
http://www.dipex-j.org/

ワタシのこのページを教えてくださっても結構です。
個人差があると思いますが、自分の経験が誰かの役に立つことは、病気に向かう励みにもなるとワタシは思いました。