カウンセリングを受けた

ノンへ

今日は、内臓転移がないことを確認する超音波エコーをやり、麻酔オリエンテーションを受け、そのあとで、カウンセリングを1時間してもらいました。

わたしより若い女性のカウンセラーで、話しやすい雰囲気を持っている、やさしい感じの人。
人の話をゆっくりとうなずきながら、決してさえぎらず聞いてくれました。
最初に「緊張していますか?」って切り出してくれた。
 
 
 
わたしはね、くやしいの。
自分がくやしいし情けない。
 
 
子宮頸癌の経過観察・検査を5年間も受けて来たのに、どうして、その間に少しでも兆候が見つけられなかったのか。

子宮と乳房はまったくパーツが違うから、個別にがん検診を受けないと意味がないということを、どうして私は知ることができなかったのか。強く認識することができなかったのか。
この5年間の間に。

子宮頸癌になって以降、充分に注意して健康診断を受けてきたつもりだから、そういうことをしっかり認識していれば
もっともっと早く検査を受けていたはず。
 
 
なんで、わたしなんだ、と。
もう、いろいろ試練うけてきたと思うし、頑張ってきたつもりなのに、まだ何かミッションがあるのか、と。
 
 
 
こういうことを、カウンセラーに話せた。
話したら、はじめて泣けた。少しだけど、泣けた。よかった。

のんのおかげです。ありがとう!
 
 
今の睡眠障害、覚醒障害の状況は、急性ストレスだそうです。
ノンの言うとおり、8月1日まで、まだずいぶん時間があるから、(これは長過ぎるね、ツライねって)睡眠導入剤で寝ましょうねと。

今日はもう、時間が過ぎてしまったので、明日、主治医は不在だけど、薬を処方してくれるように手配してくれました。
(この処置、大学病院では大変に柔軟性のある対応だと思います)
 
 
運動して身体を疲れさせて眠る作戦も悪くないから、無茶しなければ続けていいそうです。
 
 
 
予想される手術内容と術後治療についても相談しました。
わたしの場合は、検査結果がでないとまだ分からないので、一般的な乳がん治療について教えてもらいました。

そうしないと、仕事の引き継ぎとか、段取りとか、クライアントへの連絡とか、商店街関係者への連絡とか、8月以降の仕事とか、計画や準備ができないから本当に困る。
(こういう懸案があることもストレスになっているそうです)
 
 
わたし、ちょっと勘違いしていたみたいなんだけど、乳房全摘でも抗がん剤治療ってやるんだね。
てっきり、以下の2つの方法のどちらかだと思っていて、

(1)乳房温存→放射線治療→抗がん剤治療→ホルモン療法
(2)乳房全摘出→おわり
 

だったら、乳房がなくなるのは嫌だけど全摘出が一番すっきりすると思っていた。
そうしたら、なに、全摘出でも抗がん剤治療・ホルモン療法は、やるんだってね。

「乳房温存できるっていうことは、それだけリスクが少ないから温存できるわけですよね。全摘は、温存よりもリスクがあるということですから、ケースによりますが、抗がん剤治療は避けられないでしょうね」と。
 
 
げーーーーー!ちょっと勘弁してよーーーー!って感じ。
やだーーーー!抗がん剤やだーーーー!
気持ち悪いのいやだーーー!髪が抜けるのいやだーーー!
 
 
 
7年前、子宮頸癌で入院していたとき、同じ病棟・フロアーに抗がん剤治療をしていると分かる方がいた。

色が白くて、痩せていて、頭にバンダナを巻いてた。
顔を洗うときやトイレでたまに会い、とてもニコヤカに、声と笑顔だけは元気に挨拶してくれました。
ワタシは盲腸並みの軽い手術で、術後治療も自覚症状も全くなかったわけで、なんか申し訳ない気持ちがしたものです。
 
 
会う時は数日続けて会うのだけど、見かけないなと思ったら数日ぱったり会いません。
たぶん、抗がん剤治療をしていたのだと思います。
抗がん剤治療というと、彼女を思い出します。
 
  
わたしは通院で抗がん剤治療を受けられると思うので、彼女に比べれば絶対に軽いはずだし、副作用も軽いと思うけど、でも、でも恐い。
髪が抜けるのいやだ。
ああ、これを受け入れるのには、もう少し時間がかかりそうです。
ダメだなあ。 >自分

もっとツライ状態にいる人は、いっぱいいること分かっているけど、頭では分かっているけど、恐いものは恐いし、イヤなものはイヤだ。ポジティブシンキングなんてできないよ、今は。
 
 
それから、自分の中にいろんな感情が複雑にからんでいることも話せました。

・リンパ節に転移していたらどうしようと、クヨクヨ考える自分。

・そんなことはない、最善のケースになるに決まっていると前向きに考える自分。

・万一最悪のケースになっても、何かミッションがあってのことだから、それを乗り越えることでもっと大きくなれるぞ、と超ポジティブに考える自分。

・治療法がない不治の病気の人もこの世の中にはたくさんいるのだから、たかが早期の乳癌ごときで考えすぎるのは滑稽だぞと自分を叱咤する自分。

・乳癌になってしまったのはもう変えられないのだから、それを逆に楽しんで乗り越えようと考える自分。

こんな風に、いろいろな考えが出たり入ったりする。
こういうのおかしくないかなーと思っていたのだけど、カウンセラーの先生は「それでいいですよ」って何度も言ってくれた。
「それでいいですよ。そのどれもが長坂さんですよ。楽しもうと考えることができるなんて素敵ですよ」って。

 
私がいま書いているこの乳がん日記ブログを、公開することについても相談できました。
自分が本当に書きたいと思うなら続けていいって。
書くことで自分の元気に繋がったり、気持ちがスッキリするなら続けていいって。

でも、乳がんであることをカミングアウトすることで、逆にストレスを感じたり、ブログを書く作業がストレスになるようならやめたほうがいいと。

自分にストレスがかかるどうか、自分がどう感じるかを第一に考えなさいって。
 

ってなことで、まだすぐにさっぱりとはいきませんが、相手の目を見て、何でも話していいってことは、気持ちが楽になるものですね。
(2週間後の26日にもカウンセリングの予約をとってもらいました。)
 
 
この相手が、まったくの他人、わたしの過去にも未来にも、たぶん関係のない人っていうことも重要なのかもしれないなって少し思いました。

カウンセリングの内容をすべて相方に話したら、相方もとてもスッキリした顔してくれました。
 
 
 
> そんなこんなで今があるの。
> 必ず、眠れるし、笑える日が来るから安心して。

うん。
ノンにそう言われると、安心していい気がする。

でもさあ、髪が抜けるのいやだーーーーー!
髪が抜けない抗がん剤はないのだろうか。

術前検査:超音波エコー、麻酔オリエンテーション

昨日の検査につづき、今日も検査。

また超音波エコー。
前回は右胸のシコリを検査したが、今回は、肝臓など内臓に癌の転移がないことを確認するため。

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前回は上着もブラジャーも取ったが、今回はお腹が調べられれば良いらしく上着もブラジャーも取らず、上着をめくっただけ。

前回と同じ女性技師だったので、「患者が女性の場合には女性技師が検査するのですか?」と聞いてみた。
「ええ、できるだけ、そうなるようにしています」とのこと。

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モニターをよく見てみたら、上のほうに英字で氏名・年齢・性別が入っていた。
ふーん、なるほど。

超音波エコーの次は、麻酔オリエンテーション。

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手術で使う全身麻酔などについて理解を深め、手術のイメージをつかむためのもので、手術が予定されている患者数人が一緒に受ける。
まず「全身麻酔を受ける前に」というビデオ20分を見て、そのあと、医師との個別面談がある。

7年前の手術のときも全身麻酔をしたけれど、このようなビデオは見ていない。病院のシステムが改善されたのか、ワタシの手術が簡単だったから見なかったのかどっちだったのだろう?

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「全身麻酔を受ける前に」というビデオでは、手術の前日、当日の様子がどうなるか、麻酔は手術中にどのような役割をするのか、麻酔科医師は手術中に何をしているのかを、ドキュメンタリー風に説明している。
出演者の1人は、60才、男性のサトウさん。胃がんの手術を受ける予定で、狭心症の持病があるという設定だ。

慶應義塾大学病院の麻酔科教授、医師、看護師が出演していて、舞台も慶應義塾大学病院。
ビデオの最後には出演者名のテロップも流れる。オリジナル作品のようだ。

出演者の中で気になった方が1人。
お名前はメモし忘れたが、麻酔科の女性医師。表情が自然でセリフも流れるようだった。
助演女優賞。
ワタシの手術のときに、あの医師がビデオのようにやってくれたら面白いなと思った。
 
 
 

1日に何カ所も診察室や検査室を移動するときには、自分で自分のカルテを持って移動するのだが、カルテはグレーのキルトっぽい袋に入れて持ち歩く。
自分のカルテの中身が見たいなと思ったのだが、ファスナーに鍵がついていて見えないようになっていた。

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【今日の診療費】
1,800円

日本のナースは優しい

CT-SCANとMRI検査が終わったあと、入院オリエンテーションをしてくれたナースTさんのいる処置室にいった。

入院オリエンテーションのとき、Tナースが「何か分からないこと、困ったことがあったらこの部屋に遠慮せずに来るように」と言ってくれたから。

大学病院は誰もが1日じゅう大忙しで、ゆっくりと相談を受けてくれるような時間はないだろうなと覚悟していたが、でも、このまま眠れないのはもう耐えられなかった。

今日も何人もの人が入院手続きをしているようだ。Tナースが出勤しているかどうかも知らなかったが、部屋から出てきたTナースをつかまえるつもりで待った。

運良く20分ぐらい待ったところで会えた。
自分の状況を伝え、少し相談したいことがあると言ったら、ちゃんと座って話を聞いてくれた。

・最初の癌宣告から2週間経った。まだ検査が続いており、これからまだ3週間も経たないと結果が出ない。あまりに長過ぎて待つのがツライので、途中経過でもいいので聞くことができないか。

・眠れない。身体ヘトヘト作戦も効き目がなくなってきて、3時間ぐらいで目が覚める毎日。薬を処方してもらったほうがいいのだろうか。

Tナースは、どちらの相談にも真摯に対応してくれた。
途中経過が聞けるタイミングを調べてくれたが、主治医のスケジュールと検査結果がでるタイミングが悪いようで、残念ながら確約できる一番早い日が8月1日なのだそうだ。

ただ、7月25日(水)にマンモトーム生検が早く出ていたら、結果が聞ける可能性がまったくないわけではないと。

眠れないことは、おかしいことでも何でもなく、わたしの置かれた状況であれば当たり前のことだと。
眠れないと体力が落ち、術後の回復にも治療にも良くないので、カウンセリングを受けましょうと。
早速、明日のカウンセリング予約を取ってくれました。
 
カウンセリングで、自分が思っていること、感じていることを
遠慮しないで話しなさいねって。

大学病院って、とにかく、誰もが毎日大忙しだから、個別に相談するとか話しするとか難しいように感じていたのだが、もう遠慮なんかしていられない。
HELPすれば助けてくれる人はちゃんといると思った。
ありがとう!Tナース

尊敬する元ナース・青年海外協力隊OGのKARIMORIさんの「あついココロと愛する心とアソビGocoroと」に何度も書かれていたっけ。日本のナースはとっても優しいのだ。
ありがとう!ナース